

カブドットコム証券時代に口座開設をしてauカブコム証券へと変わり、そして、生まれ変わった三菱UFJ eスマート証券が主催する『投資セミナー夏』に顔を出してきました。
落ち着きすぎた会場の空気と、日銀短観・想定為替152円という数字の話、全力でレポートします。
| イベント名 | 投資セミナー夏 |
|---|---|
| 開催日時 | 2026年7月4日(土)13:00〜 |
| 会場 | KABUTO ONE ホール&カンファレンス |
| 主催 | 三菱UFJ eスマート証券 |
| 入場料 | 無料 |
| 登壇者 |
① 馬渕磨理子氏「日本経済と日本株の見通し」 ② 小島直人氏・篠田尚子氏「37年目ファンドマネージャーが語る!日本株式の選球眼」 ③ 大島和隆氏「アメリカ現地滞在を踏まえた米国株最前線レポート」 |
もともとこの口座は、カブドットコム証券時代に開設したものです。理由は覚えていませんが、社名がなんとなくダサいという謎の感覚だけで、ずっとほったらかしにしていました。auの名前がついてからは「自分には関係ない証券会社」という認識になり、存在ごと記憶から消えていたほどです。
そのauカブコム証券が、2025年2月に三菱UFJ銀行の完全子会社となり、三菱UFJ eスマート証券として生まれ変わったと知ったのは最近のこと。せっかくなので昔の口座開設資料を引っ張り出し、久しぶりにログインしてみました。そこで案内されていたのが、今回参加した『投資セミナー夏』です。
これまで参加してきた証券会社主催のセミナーは、楽天証券、SBI証券、マネックス証券、ウィブル証券、moomoo証券といったところ。三菱UFJ eスマート証券のセミナーがどんな雰囲気なのか、単純に興味がありました。
会場の雰囲気
楽天証券やSBI証券、マネックス証券のイベントは、証券会社や協賛企業のブースがところ狭しと並び、配布資料だけで荷物がずっしり重くなるのが定番です。ところが今回は、ブース出展がグループ会社の三菱UFJアセットマネジメント1社のみ。少し寂しさを感じながら会場に入りました。
会場はまあまあ大きいホールで、パイプ椅子が300席ほど並んでいます。全体の空気は、落ち着いているというより「落ち着きすぎている」という表現がしっくりきます。少し前に参加したのがmoomoo証券のイベントだったこともあり、そのギャップは余計に際立ちました。
PART 1 日本経済と日本株の見通し(馬渕磨理子氏)
最近何かと話題の馬渕磨理子氏。資産運用EXPOの講演には何度か参加したことがありましたが、内容がほぼ同じ構成で続いていたため、しばらく足が遠のいていました。今回も日経平均とPERの表を出して「下は55,000円、上は85,000円もあり得る」といった、いつもの見通し話だろうと予想していましたが、今回は違いました。
セミナー開催時点で日経平均は70,000円を超えていたものの、TOPIXとの乖離を見るとAI・半導体関連企業の独り勝ちで、他業種は置いてきぼりの状態。
7月1日発表の6月調査・日銀短観では、業況判断DIが製造業・非製造業ともに数年ぶりの高水準。
大企業は製造業・非製造業を問わず設備投資額を増やす一方、中小企業は投資を控える「攻めと守り」の二極化が進んでいる。
全規模・全産業の日本企業が想定している為替レートは1ドル=152.57円。現在の水準は企業側にとってむしろ円安寄りに認識されている。
この想定為替レートを基準に現在のレートを見ると、輸出企業にとっては業績の上方修正要因が積み上がっている計算になります。それを株価がどこまで織り込んでいるのかは、今後注目してみたいポイントです。
もうひとつのテーマが、金利がどこまで上がるのかという話。金利上昇局面での企業の選別視点として、追い風になるのは銀行・保険・キャッシュリッチ企業、逆風になるのは不動産・高PERグロース株・過剰債務企業という整理でした。
PART 2 37年目ファンドマネージャーが語る日本株式の選球眼(小島直人氏・篠田尚子氏)
このイベント唯一のブース出展企業である三菱UFJアセットマネジメントによる、テーマ型投信『日本コンテンツIP関連成長株ファンド(愛称:ジャパン・ポップカルチャー)』の紹介パートです。
半導体関連株の指数が大きく上昇している一方、ゲーム・アニメ関連株の指数は明確な下落トレンドにあるという対比から話が始まりました。とはいえ2023年時点のデータでは、コンテンツ産業の海外輸出額はすでに半導体関連の海外輸出額を上回っているとのこと。加えて日本政府もコンテンツ産業を基幹産業のひとつと位置づけ、2023年に5.8兆円だった海外輸出額を2033年までに20兆円まで伸ばす目標を掲げているそうです。
PART 3 アメリカ現地滞在を踏まえた米国株最前線レポート(大島和隆氏)
「ファンドガレージ(Fund Garage)」を主宰する大島和隆氏は、日本の資産運用業界で30年以上のキャリアを持つ元ファンドマネージャーです。アメリカに実際に滞在して肌で感じた経済の姿という、なかなか他では得られない切り口のレポートでした。
— 大島和隆氏(要旨)
よく「アメリカはK字経済」「いやC字経済」「いやE字経済」などと語られますが、そんな単純なものではないというのが大島氏の見立てです。消費行動ひとつとっても、高品質志向、大量・合理志向、掘り出し物・節約志向、まとめ買い志向がそれぞれ存在していて、消費全体が弱っているわけではなく、あくまで層ごとに棲み分けているだけだという説明でした。
米国株市場は「米国社会の平均」を買う場所ではなく、どの需要が本物で、どの企業がそれを収益に変えられているかを見極める場所だという指摘には、うなずくしかありませんでした。セクター単位でお手軽に投資するのではなく、その企業が真に需要を捉え、収益化できているかどうかを自分で判断できるようにする必要がある。難しい宿題を突き付けられたような講演でした。
第四部とエレベーターの話
第四部は、三菱UFJ eスマート証券のストラテジストやアナリストが登壇するパネルディスカッションでした。これはいいかな、と休憩時間のどさくさに紛れて、会場を後にすることにしました。
トイレに向かう人混みに紛れながらエレベーターへ向かっていると、スタッフの方が小走りにこちらへ近づいてきました。途中退席を注意されるのかとビクビクしていたら、ただエレベーターのボタンを押してくれていただけでした。ありがとうございました、そして勝手に身構えてしまってすみません。
ブース1社のみという寂しさと、落ち着きすぎた会場の空気。それでも日銀短観・想定為替152円・金利上昇局面の業種選別など、学びの多い内容でした。派手さはない分、じっくり選別する視点を再確認できたセミナーでした。
本記事は、筆者が個人的にセミナーへ参加した体験・感想をもとに書いたものです。登壇者の発言内容は筆者のメモに基づく要約であり、逐語的な引用ではありません。特定の金融商品・銘柄への投資を推奨・勧誘するものではありません。
記事の内容は情報提供を目的としており、投資上の助言・指導ではありません。投資にかかる最終的な判断はご自身の責任でお願いします。


コメント