












朝風呂セットを使って、誰よりも賢くオフピークを攻略する方法を、滞在ログとともにお届けします。
目的地は、道路から見える銀色の円盤
上武道路を新潟方面へ走らせると、二車線から一車線に細くなり、また二車線に戻るあたりで、目指す温泉が見えてきます。
道路からも確認できる、円盤型の銀色に輝く物体——それが今回の目的地、渋川天然温泉・花湯スカイテルメリゾートです。初めて見たとき、「これが温泉施設なの?」と思わず二度見してしまいました。
7時台の浴場は意外と混む
朝食バイキングのチケットには、「8時〜8時半が混雑します」と注記がありました。
そこで7時のオープン直後、7時20分頃に浴場へ足を踏み入れると——洗い場がほぼ満席状態。予想外の混雑に、軽く驚かされます。
よく考えると、この時間帯の浴場には2種類の利用者が混在しています。
ひとつは隣接するハナホテルの宿泊客。朝食バイキングのチケットを持っていて、8時の朝食に合わせて行動しています。もうひとつが、今回の私のような朝風呂セット利用者。日帰り温泉の入浴と朝食バイキングがセットになったプランで、こちらはさらに2パターンに分かれます——「まず風呂に入ってから朝食へ」派と、「朝食を先に済ませてから風呂へ」派です。
ところが、8時前になると空気が一変します。
まるで潮が引くように人が一気にいなくなり、さっきまでの賑わいが嘘のようにガラガラの快適空間へと変わりました。宿泊客も「先に風呂」派の朝風呂セット利用者も、みんな一斉に8時の朝食会場へ向かったのです。チケットに「8時〜8時半が混雑」と書かれている理由が、身をもって理解できました。逆に言えば、朝食をあとにずらせば、ほぼ貸し切りに近い状態でゆっくり温泉を楽しめるということです。
浴室の中央にある時計を、多くの方がチラチラと確認しているのを見て、「みんな同じことを考えているんだな」と思わず笑えました。7時は早すぎる、9時は遅すぎる——その間の8時が自然な待ち合わせ時刻になるのは、確かに頷けます。
朝風呂セット利用者は「先に風呂→後から朝食」派と「先に朝食→後から風呂」派の2タイプ。どちらも8時頃に浴場から人が引くため、8時〜9時台が事実上の貸し切りタイムです。「先に風呂」派なら8時半以降に朝食へ向かうのがベスト。露天風呂をのんびり独り占めできます。
源泉は1km以上離れた場所からパイプで引いている
渋川天然温泉は、1キロ以上離れた源泉地からパイプで引いているそうです。施設のすぐ前のバス停の名前が「渋川温泉」となっていることからも、この一帯で渋川温泉を楽しめるのはここだけということがわかります。
泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物温泉(弱アルカリ性・等張性・高温泉)。地下約1,400mから湧き出た源泉は65℃、pH7.6、成分合計8,830mg/kgという濃厚な湯で、露天風呂ではかけ流しの”生源泉”が楽しめます。主な効能は神経痛・筋肉痛・関節痛・冷え性・慢性皮膚病・慢性婦人病など多岐にわたります。
以前は「近くのサイボク温泉と泉質が似たようなものだし、サイボク温泉でいいんじゃないか」と思っていた時期もありました。どちらも塩化物泉・弱アルカリ性という点では確かに似ています。でも、2時間近くクルマを走らせてでも入りに来る温泉には、それだけの理由があります。道中の期待感、到着したときの解放感——旅の文脈があるからこそ、お湯がより深く体に染み込む気がするのです。
8時半に浴場を出ると、仲間たちがいた
8時半を目指して浴場を出ると、同じくらいのタイミングで上がってきた人が数人。互いに言葉は交わさないけれど、「お互い同じ算段でしたね」という空気が漂っていて、妙な連帯感がありました。おそらく全員、「先に風呂」を選んだ朝風呂セット組です。「先に朝食」派はすでに8時から食べ始めているわけで、ちょうどこの時間に浴場を出てきた人たちは、自然と同じルートを歩んできた同志ということになります。
髪を乾かさないのは、朝食後にもう一度お風呂に入るから。
この朝風呂セットは、朝食バイキングのあとも引き続き施設を利用できるプランです。「先に風呂→朝食→また風呂」という欲張りなコースも、もちろんアリです。突き詰めると、オープンの7時からクローズまで、ずっと滞在していてもいいということになります。なんと太っ腹な。
9時半から10時の、日帰り温泉の一般営業が始まる前のひとときが「次のゴールデンタイム」と目論んでいたのですが、朝食バイキングでお腹いっぱいになってしまい、もうどうでもよくなってしまいました。これはこれで、幸せな敗北です。
2階のソファスペースから榛名山と赤城山が両方見える
満腹のまま2階のソファスペースに腰を落ち着けると、正面に榛名山と赤城山が両方見えます。
ただ、県外出身の私には、どうも榛名山が赤城山っぽく見えて、赤城山が榛名山っぽく見えてしまうのです。名前のイメージと実際の景色にどうにもズレを感じてしまいます。
タカアンドトシに例えると、タカっぽい人が実はトシで、トシっぽい人が実はタカでしたという感じでしょうか。テツandトモで言うと……もうやめておきましょう。
日帰り温泉×ビジネスホテルという神モデル
日帰り温泉の隣にビジネスホテルを建てて、大浴場代わりに使わせるというビジネスモデルは、利用者にとって本当にありがたい仕組みです。
部屋付きのユニットバスでは疲れが取れないし、ビジネスホテルの大浴場といってもスペースに限りがある。それが天然温泉の日帰り施設になるのだから、もう最高以外の言葉が浮かびません。
ハナホテルグループでは同様の形態(日帰り温泉+ビジネスホテル)をいくつか展開していますが、朝食バイキング付きの朝風呂セットがあるのは、現時点ではここ渋川天然温泉(ハナホテル&スパ 伊香保インター)と、深谷にある国済寺天然温泉(ハナホテル深谷&スパ)の2拠点のみです。
赤城山麓にある赤城天然温泉・花湯ユートピア赤城の隣にも、2025年8月にハナホテル&スパ渋川(赤城インター)がグランドオープンしましたが、こちらはまだ朝食セットは始まっていません。
ホテル名の混乱問題、これは本当にどうにかならなかったのか
ここで重要なお知らせがあります。ホテル名が、非常に紛らわしい。
渋川天然温泉の隣にあるのが「ハナホテル&スパ 伊香保インター」、そして赤城天然温泉の隣にあるのが「ハナホテル&スパ渋川(赤城インター)」。
……お分かりいただけますか?
渋川にある温泉の隣のホテルが「伊香保インター」で、赤城の温泉(群馬県渋川市赤城町)の隣のホテルが「渋川」なのです。口コミには「間違えて予約しましたが、いいホテルでした」というコメントが多数見受けられ、実際に取り違えて予約してしまった方も少なくないようです。
もう少し何とかならなかったのでしょうか。
施設情報:渋川天然温泉・花湯スカイテルメリゾート
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 群馬県渋川市半田3129-1 |
| TEL | 0279-20-1126 |
| 公式HP | 花湯スカイテルメリゾート 公式サイト |
| 日帰り営業時間 | 10:00〜23:00(最終入館 22:30) |
| 入浴料(大人) | 平日 750円 / 土日祝 850円 ※2025年3月に料金改定あり。最新情報は公式料金ページでご確認ください |
| 入浴料(子供) | 350円(平日・土日祝共通) ※要確認 |
| 泉質 | ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉 (弱アルカリ性・等張性・高温泉) |
| pH / 源泉温度 | 7.6 / 65℃ |
| 成分合計 | 8,830 mg/kg |
| 主な効能 | 神経痛・筋肉痛・関節痛・冷え性・慢性皮膚病・慢性婦人病 など |
朝風呂セットを使うなら、7時台は混雑を覚悟で入浴→8時〜8時半に人がいなくなる黄金タイムを狙うのがベスト。朝食後も施設を使い放題という太っ腹プランは、「せっかくなら元を取る」派には最高の選択肢です。ホテルの予約だけは名前をよく確認して。


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