








西上州湯沢温泉 湯沢館 宿泊レポート
「湯沢」は二つある
湯沢温泉といえば、越後湯沢。新幹線が止まって、スキー客でにぎわう、あの有名な温泉地です。知名度は申し分ない。でも、実は「湯沢温泉」はもう一つあります。
群馬県、西上州。安中市の山あいに、ひっそりと湧く「西上州湯沢温泉」です。宿はただ一軒、湯沢館のみ。なんとなく調べていたら空室があったので、2日前に予約してしまいました。キャンセル料が発生する予約だったので、もう後には引けません。
越後湯沢の陰に隠れた、『じゃない方のYUZAWA』。はたして、どんな湯が待っていたのでしょうか。
アクセスと外観
安中市街の通りを抜け、脇道へ。ナビに言われなければ絶対に通らないだろう道を、ズンズンと進んでいきます。九十九川沿いの静かな一角に、それはありました。
外観、玄関、受付——。全てがトラディショナルスタイルです。昭和の旅館の空気が、そのまま残っている。でも、Wi-Fiはちゃんとあります。温泉とWi-Fiと広縁、この三つが揃えば、もう何もいらないと思っているので、まず一安心でした。
お部屋と広縁
案内図を頼りに見つけたのは、角部屋でした。そして——広縁があるじゃないですか。
ただ、窓の位置が少し高め。椅子に座ると、外の景色がちょうど見えない高さなのです。広縁があるだけで十分ありがたいと、ポジティブに解釈することにしました。
設備はシンプルですが、Wi-Fi・浴衣・ドライヤー・冷蔵庫と必要なものは揃っています。全10室のこぢんまりした宿ですが、その分、静けさは本物です。
浴室レポート:最適解を見つけるまで
貸切風呂、ではないが貸切風呂
浴室は2カ所。男女を完全に分けているわけではなく、その日の宿泊客構成によって運用が変わる仕組みのようです。この日は男性客のみだったので、実質的にほぼ貸切状態で利用できました。
浴槽ポジショニング問題と、その最適解
浴槽は横に長い長方形。複数人が入ることを前提にすると、当然ながら長辺を頭にして入ることになります。でも一人で使うなら、できれば足を伸ばしてゆっくりしたい。
短辺を頭にしようとすると、そちら側には岩が張り付いていて頭を置ける場所がない。試行錯誤すること数回。そしてついに、最適解にたどり着きました。
浴槽に浮かぶ保温マット——通常は脇に片付けて入るものですが、これをそのまま浮かべておき、肩と頭をそっと預けるのです。ちょっとした浮遊感。足も伸ばせる。正に殿様気分。ジョン・エヴァレット・ミレーの描いたオフィーリアを、思わず連想しました。
お湯について
西上州湯沢温泉は、天然の冷鉱泉を加温して提供しています。無色透明でほぼ無臭、刺激が少なく誰にでも馴染みやすいお湯です。疲労回復や神経痛への効能が期待されており、地元の方に長年愛されてきたのも納得できます。
入浴後の肌はさっぱりとした感触。派手さはないけれど、じわじわと体の芯から温まる、素朴な良さがありました。
| 施設名 | 西上州湯沢温泉 湯沢館 |
|---|---|
| 所在地 | 〒379-0116 群馬県安中市安中甲5660 |
| 電話 | 027-381-0287 |
| アクセス(車) | 関越道・高崎ICより約40分/上信越道・松井田妙義ICより国道18号経由 |
| アクセス(電車) | 信越本線・安中駅より車で約5分(徒歩約20分) |
| 源泉名 | 西上州湯沢温泉 |
| 泉質 | 冷鉱泉(加温)※単純泉 |
| 効能 | 冷え性・疲労回復・リウマチ・神経病 |
| 色・香り | 無色透明・ほぼ無臭 |
| 浴場 | 内湯2カ所(状況により運用変動) |
| 客室数 | 全10室 |
| 設備 | 大浴場・宴会場・コインランドリー(有料)・Wi-Fi・駐車場(15台・無料) |
| チェックイン | 15:00〜22:00 |
| チェックアウト | 〜10:00 |
| 公式サイト | https://yuzawakan.com/ |
まとめ
「湯沢温泉」という名前を聞いて、越後湯沢以外の場所を思い浮かべる人は、そう多くないでしょう。でも、安中の山あいにこんな宿がひっそりとあります。
トラディショナルな佇まい、静かな環境、加温した冷鉱泉——。決して派手さはないけれど、「ただいま」と言いたくなるような、懐の深い宿でした。浴槽の最適解を発見したのが最後の入浴だったことだけが、心残りです。次回こそは、初日から殿様スタイルで臨みます。

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