東京都中央区京橋
📘 参考著書:『機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資法』
なぜ参加したか
「今年こそ高値掴みを卒業!」というタイトルに、ちょっと刺さってしまった。去年も似たような失敗をしていたので。
主催は株式会社モニクルフィナンシャル。講師は同社取締役の泉田良輔氏で、ご自身の著書『機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資法』をベースにした内容とのこと。無料だし、土曜の昼間だし、行かない理由もなかった。
「PERが高い=割高」は本当か?
冒頭から、わりと核心を突いてくる話だった。
株の勉強を始めると早い段階で出てくるのが「PER15倍以上は割高」「PBR1倍を基準に」という考え方。自分もそれなりに使ってきたつもりだったけど、泉田氏はそのあたりの「単純判断の落とし穴」を丁寧に話してくれた。
PERが高くても割高じゃないことがある
「成長利益率が年4〜6%程度ある企業なら、PER30〜50でも一概に割高とは言えない」という話。要は、将来の成長を先取りしている分だけPERが高く見えることがある、ということ。逆にPERが算出されないケースは赤字企業のサインで、それはそれで判断材料になる。
PBR1倍基準も万能じゃない
PBR1倍割れ=割安、というのも業種によって全然話が変わってくる。製造業と金融業でPBRの「適正水準」は違うし、そもそも業種をまたいでPBRの比較をすること自体に無理がある場合もある。
「わかってはいたけど、改めて言語化してもらうと腑に落ちる」という感じの内容だった。
「ヒストリカルレンジ」という考え方が刺さった
個人的にいちばん「持ち帰れる」と思ったのがこの話。
他の銘柄や業界平均と比べるのではなく、その銘柄自身の過去と比べる。シンプルに聞こえるけど、これをちゃんとやっている人は意外と少ないんじゃないかと思う。
「今のPERが30倍」という情報より、「その会社の過去10年のPERは15〜40倍の間で動いてきた。今は30倍だから真ん中よりやや上」という情報の方が、ずっと意思決定に使いやすい。
機関投資家が「買えない」銘柄という視点
これも面白かった。機関投資家には、構造的に投資しにくい銘柄があるという話。
- 時価総額300億円以下の小型株——大きな資金を動かす機関投資家は、流動性の問題で小型株に大量投資できない。
- ESGで除外されやすいセクター——ギャンブル・防衛・アルコール関連は、ESG基準により組み入れを避ける機関が多い。
その結果、こういった銘柄は「相対的に配当利回りが高い傾向がある」とのこと。機関投資家の資金が入りにくい分、株価が抑えられやすいから。
「機関投資家に追随するか、彼らが手を出せない領域を狙うか」——どちらが正解ということはなく、自分の投資スタイルと照らし合わせて考える、というのが整理の仕方として提示されていた。
会場の雰囲気と正直な感想
参加者は10名弱。人数は少ないけど、その分だけアットホームで質問もしやすい雰囲気だった。実際、質疑応答の時間はしっかり設けられていて、参加者の熱量も高かった。
「個別面談どうですか?」的な直接的な勧誘はなし。セミナー終了後にアンケートが配られて、今後の株式投資講座についての質問が含まれていた。まあそのくらいは想定内。
全体的に「売り込みより、まず知識を届ける」スタンスで進められていたので、居心地は悪くなかった。参加前の警戒感は、終わる頃にはだいぶ薄れていた。
持ち帰ったこと
「PERやPBRはあくまでバリュエーションの入口」という認識は、頭ではわかっていたけど、改めて言語化してもらうことで少し考え方が整理された気がする。
特に実践してみたいのは、ヒストリカルレンジでの相対評価。「他と比べてどうか」より「自分自身の過去と比べてどうか」の方が、銘柄の個性を活かした見方ができる。
それから、機関投資家の制約を知っておくこと。「なぜこの銘柄は割安のまま放置されているんだろう?」という問いに、一つの答えを与えてくれる視点だった。

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