






東京都渋谷区道玄坂
会場の雰囲気——開場直後から長蛇の列
渋谷・道玄坂を上った先のベルサール渋谷ガーデン。開場時間ちょうどに着いたのに、会場前にはすでに待機列ができていた。資産運用系イベントならではの熱気で、中に入っても人の多さと活気がすごかった。
協賛企業ブースは「アンケート回答で抽選参加」型と「資料・ノベルティ配布」型の2パターン。アンケートに答えると後日の営業電話が来るのが目に見えているので、気になる資料だけ受け取りつつお目当てのセミナーへ向かった。
「三文字指標は投資の役に立たない」——世界経済と市場の未来予測
何度聴いても飽きない、エミン・ユルマズ氏の講演。あの低く響く声と話の巧みさは健在で、今回も「世界経済」と「国内経済」の二本立て構成だった。
「三文字指標」へのひと言
冒頭、米国の実質GDP成長率に触れながらこんな発言があった。
これまでそれなりに信頼していた指標だっただけに、なかなか衝撃的な一言だった。「そういう見方もあるのか」と素直に刺さった。
景気を3つの指標で俯瞰する
エミン氏は景気を以下の3種類の指標で読み解くアプローチを解説してくれた。
- 景気先行指数(Leading Index)——方向性をいち早く示す。製造業景況指数・住宅着工件数・ミシガン大学消費者信頼感指数などで構成。
- 景気一致指数(Coincident Index)——現状をリアルタイムで示す。非農業部門雇用者数などの雇用統計が代表例。
- 景気遅行指数(Lagging Index)——景気変動から遅れて動く。個人消費指数やGDP成長率がここに該当。
現在の米国経済をどう読むか
注目すべきは先行指数がすでに悪化傾向にある一方、一致・遅行指数はまだ堅調な点。「これから悪くなる」サインが先に出ている状態だ。
失業率は約4%でほぼ完全雇用に近い水準だが、問題は雇用の「質」の低下。AIの台頭により正規雇用がマイナスに転じ、パート・アルバイトがその分を補う構造になっている。掛け持ちパートが1件として集計されてしまう統計上の課題もあり、数字が示す以上に実態は厳しい可能性がある。
国内株式市場の構造的課題
国内については、プライム市場・スタンダード市場と比べてグロース市場の伸び悩みが続いているとの指摘があった。背景にあるのは機関投資家の資金フロー——時価総額の小さいグロース銘柄は、機関投資家にとって投資対象にしにくいという構造的な問題だ。
直近のゴールド急騰・急落と、まさかのニュース——貴金属は新時代へ
急騰・急落をどう見るか
直近の金価格の大きな上下動は、主に信用取引筋のポジション整理(玉整理)が原因とのこと。その後のチャートも通常のレンジに回帰しており、「過度に慌てる必要はない」という見解だった。金価格が構造的に上昇しやすい理由については他セミナーとも重複するため、ここでは割愛。
驚きのニュース——金・プラチナ限日取引が2026年12月に完全廃止
「ポケットミニ」という名称は、通常の金先物より取引単位(ロット)が小さいことに由来するそうだ。
「2026年は我慢の年」——相場の不確実性とその対処法
「西山幸四郎」との二名義で活動する石原順氏。同一人物だと気づいたのは2〜3年前で、それまでは「よく似た別人」だとずっと思っていた。
第一声は「2026年は我慢の年だ!」
その根拠として挙げられたのが、ヘッジファンドの大家・レイ・ダリオ(Ray Dalio)氏の理論「ビッグサイクル(Big Debt Cycles)」だ。
| 局面 | 出来事・特徴 |
|---|---|
| 2008年 | リーマンショック——債務破綻と景気後退 |
| 2020年 | 新型コロナ——紙幣増刷と信用創造の拡大 |
| 2026年 ← 今ここ | 革命と戦争 |
| 次の局面 | 負債処理と政治的再稼働 |
| その先 | 新世界秩序の形成 |
2026年の投資スタンス
だからこそ2026年は余計なポジションを取らず、シンプルなポートフォリオを維持することが重要とのアドバイスだった。不確実性が高い局面では「何もしない勇気」も立派な戦略、という言葉が刺さった。
持ち帰ったこと
3名の登壇者に共通していたのは、「現状に慢心せず、慎重に構える」というメッセージだった。
- エミン・ユルマズ氏:景気先行指数の悪化に注目。遅行指標だけで安心しない視点を持つ。
- 池水・大橋両氏:金・プラチナの積立は継続。限日取引廃止は痛手だが、長期方針は変えない。
- 石原順氏:レイ・ダリオのビッグサイクル理論に基づけば、2026年は守りの年。
予定の都合で途中退場になってしまったのが唯一の心残り。次回も機会があればぜひ参加したい。
※本記事は筆者がセミナーで得た情報をもとに作成したものです。投資判断はご自身の責任において行ってください。


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